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中国財政について思うこと

画一化をあくまで嫌い、それぞれの地域性や国民性を生かした上での協力体制の確立、個性を生かした百花笹乱たるこIIクな文化圏の統合、ヨーロッパは現にその方途を真剣にさぐっているのであり、将来もおそらくその努力をつづけるであろう。
その意味で、EEC加盟かイギリスの例をみてもわかるように容易に進捗しないということか、
却ってヨーロッパ政治経済の着実さの証拠だと私は思う。
それにしても、私かヨーロッパの地理について述べた東ヨーロッパと西ヨーロッパとの問題か将来どうなるのであろうかという、まことに大きな問題か残る。
文明批評家は、ヨーロッ八時代はすでに終った。
これからは大西洋時代か、ユ土フシア時代がはじまる。
そのいずれかの岐路に立っているのか、まさに二十世紀後半の状況であると説く。
私にはそうした主張に対して、正しい判断をくだす資格もなければ、また十分な準備ももちあわせていない。
ただ私にいえることは、今後、世界史をうごかす基本的な問題は、民族の相違、宗教の相違、国家権力の性格の相違、イデオロギーの相違といったことであろうし、資源、労働力、資本の相当規模でのバランスが大切であろうということである。
つまり政治的な力とか、経済的な力というものは、これからはかなり大きなスケールのものでなければならないという意味である。
ヨーロッパかこの動向にどう対処できるのか。
私は率直にいって、いままで述べて来たような歴史的個性を確認した上での、着実な協力体制への努力かはらわれる限り、世界史におけるヨーロッパの地位は断じて低下するものではないと確信する。
特にただ前向きに新しいものをとりいれることだけに専念するのでなく、自分だもの歴史の中に、不死鳥のような「ヨーロッパ精神」をさぐろうと努めている現在のヨーロッパの努力を思う時、なおさらこの感か深いのである。
しかし歴史家か将来を予想した発言をすることは、あきらかに邪道であろう。
以上中述べたところによって、ヨーロッパという舞台の特色の一端でも理解していただけたならば、幸いである。
風変りなヨーロッパ観のようにみえるであろうか、こうした舞台構造の特色かっかめていないロバリ迂の持色と、一国一国のことは解ってもヨーロッパのことは解らなしと考えるからである。
地方分権に関する本はこれまでも数多く出版されている。
学者の本は高度に専門的で、当然、制度論が中心である。
一方、現職の首長や首長経験者の本は自分の業績の自慢話となっているものが多い。
どうも一般の国民の立場からは今ひとつ、生活実感に欠ける。
地方分権はあくまでも一つの手段に過ぎない。
その目指すところは毎日毎日営まれる市民生活が少しでも豊かになること、すなわち、農業分野で農業ビジネスの隆盛につながり、医療分野で地域の医療水準の向上につながる道筋を明確にしないといけない。
民主党政権が主張する「地域主権」に関する政策もこの点を踏まえたものであってほしいが、果たしてうまくいくであろうか。
分権オタクは別にして、民主党政権が初めて「地域主権」という用語を使い出したのであるが、この用語からして、これまで用いられてきた「地方分権」と同じなのか異なるのか、何故わざわざ言い換えをしなければならないのか、わかりやすく説明されているとは言い難い。
民主党政権の「地域主権」の理念がうまく国民に伝わっているとは到底思えないのである。
私は2009年3月から、朝日新聞の東北版に月1回のペースで「増田寛也の目」の連載を始めた。
菅沼栄一郎編集委員とともに、東北全体の共通テーマについて現地を訪ねながら、問題点の所在や課題を決ろうという企画である。
菅沼氏とこの企画の打合せを重ねるにつれて、話はどうしても地方分権論に及ぶことが多くなった。
農業にせよ、観光にせよ、あるいはインフラ整備にせよ、回と地方の関係を抜きにしては、問題点が浮き彫りにならないのである。
私が、地方分権の考え方をまとめてみたいと思い始めたのは、その頃である。
09年9月に政権交代があり、民主党政権が「地域主権は一丁目一番地」と声高に叫ぶようになってからは、この思いはさらに強くなってきた。
10年7月に予定されている参議院議員達拳や11年4月の統一地方選挙においても、この「地域主権」が争点の一つになるのは間違いのないところである。
そこで、東北版の連載企画をベースにしながら加筆、修正したものに、全く新規に書きおろしたものを加えて、地方分権について一般の国民が疑問に思うこと、誤解していること、地方分権をうまく進めるための条件などについて、簡潔にかつできるだけ平易に解説を試みたのが本書である。
分権をすれば何がよくなるのかを理解してもらうには、かなりの説明が必要になる。
中央で画一的に決まるよりも、身近な所で自分たちの意向が反映された内容で決まった方がよいにきまっているが、国民の多くが「楽な分権、受身の分権」を望んでいることも事実である。
「分権をすれば、後は身近な所で誰かがよい仕事をやってくれる」と期待しても、分権は打出の小槌ではない。
油断をしていると、北海道夕張市のように市長や議会が暴走して、結局ツケが一人ひとりの市民生活に及ぶ可能性も秘めている。
よほど注意が必要なことも事実である。
いずれにしてもこの間題について、選挙の際に有権者としての意思を表明しておく必要性がある。
「住民が主役」の地域主権とはなぜ、地方分権を進めなければいけないのか。
この問いかけに真正面から答えるのはなかなか難しい。
というより、この理由を理解してもらうためには、少々回り道をしなければならないと言ったほうが正確だろう。
何かを変えるのは少なくとも現状よりよくするためであるべきだが、地方分権を進めれば自動的に住民の生活が豊かになるというものでは決してない。
分権を進めるということは、決定権を中央から身近な自治体に移すということで、これに伴って権限やお金を国から都道府県や市町村に移す場合が多い。
しかし、自治体にこうした権限やお金が移るだけで市民生活が豊かになるものではないことは、北海道夕張市の財政破綻をみればおわかりになるだろう。
自治体にお金が移ったことを幸いにして、市長が自治体の身の丈以上の過大な箱物を造り続けたり、議会がノーチェックで市長の提案を受け入れ続ければ、市の財政は破綻して、その犠牲になるのは一人ひとりの市民生活である。
地方分権はあくまでも手段であって、手段を生かすも殺すもそれを使う人の使い方にかかっているのである。
国が画一的に決めるよりも仕事を地方に移して、地域の創意工夫を反映させて決める仕組みにした方が住民の満足度が高いのは当然だ。
各地域ごとの知恵比べ、善政競争によって日本全体を活力あるものに変え、その果実を住民生活の豊かさに還元させようとするのが、地方分権の目指すところである。
世の中が完全無欠の自治体ばかりであれば、大いに、国の仕事を地方に移そうということになる。
しかし、すべての住民から信頼される自治体など存在するのだろうか。
全国の自治体をみると、行政に対する住民の満足度は決して高くない。
皆、なんらかの不満を持つか、そうでなければその多くは無関心である。
したがって、地方分権を進める大前提として、まず、自治体が住民から信頼される自治体であること、すなわち、地方自治に関係するすべての主体が、それぞれの役割と責任をきちんと果たすことが必要となってくる。

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